第26章 -決心-
ひかりは相変わらず、
リハビリの時や時間のある時は
親父の見舞いに来てくれたり、
双子の面倒を見たりしてくれていた。
元々他の科に通っていることもあり、
親父の病棟でも
すっかり周りと慣れていた。
嬉しいが、「修造くんの彼女」
として認識されているから、
オレは若干恥ずかしいのが本音だ。
金曜日もオレより早く来ていて、
親父と楽しそうに話していた。
暫く3人で話してから、オレたちは帰った。
「お父さん、
今日は調子良さそうだったね。」
「あぁ。」
てか、ひかりが来ると、
親父はいつもより元気な気がする。
「あのさ。」
「ん?なぁに?」
いつもの公園の前で立ち止まると、
優しい目でオレを見つめてきた。
こういう時、ひかりは急かさない。
ゆっくり見つめて
オレのことばを待っている。
オレは、そのままひかりを公園へ促し、
いつものベンチに2人で座った。