第24章 -部屋-

「ひかり…？」


「こないだ電話で話した時に
言ったでしょ？
『次に会った時ギュッてする』って。」


ひかりはさらに力を強め、
オレを抱きしめる。


ひかりは膝立ちになっているので、
座っているオレの顔に
ひかりの胸が触れる…。


「何も言いたくなかったら、
何も言わなくてもいいよ。
でも、泣いたり叫んだりしたかったら、
泣いてもいいし叫んでもいいよ。」


ひかりは何も気にしていないようで、
そのまま話し続けた。


「お父さんのこと心配だし、
お母さんも今大変だから、
修造が家族を支えなきゃって
思う気持ちもよくわかるけど、
修造だって気持ちを吐き出していいんだよ。
修造はいつも…周りを見て、
皆に心配かけないようにしてるよね。
でもね、
今はこうやってギュッてしてるから。
わたしにしか聞こえないから大丈夫。
ずっとこうしててあげるから…。」



ひかりはオレを抱きしめたまま、
片手でオレの頭を撫でていた。