第24章 -部屋-
インターフォン押そうとした時よりも
緊張する気がする。
オレはひかりの部屋のドアを開けた。
ひかりの部屋はシンプルだった。
所々可愛らしい小物も置いてあり、
ゴテゴテしていないが、
女の部屋…という感じだった。
「修造?なに突っ立ってるの?」
ひかりが笑いながら入ってきて、
持ってきたお茶を置く。
「座って座って。」
「あぁ。」
ひかりと並んで、
ベッドにもたれて座った。
オレもひかりも黙っていたが、
沈黙が気まずくないのは、
一緒にいるのがひかりだからだ。
自然と指が触れる。
「大きな手だね。ゴツゴツしてる。」
「毎日ボール触ってたら、
皆こうなんだろ。」
「うん。でも修造の手がいい。」
ひかりは何も聞かない。
「修造、寝る?」
……⁈
いや、なんでだよ?
こんな時に何言って…⁈
「疲れてない?
お母さんの仕事終わるまで寝てたら?
30分くらいだけど、
少し寝たほうがいいんじゃない?」
あ…
あぁ。そういうことか。
こんな時にオレ意識しすぎだろ。
「いや、いい。眠くはないから。」
ひかりはオレの返事を聞くと、
ふとオレの手を放し、
ゆっくりオレを抱きしめた。
オレは突然優しいあったかいものに
ふわりと包まれた。