第23章 -初対面③-
「あら?今日ウチに泊まってもらう?
起こすのはかわいそうよね。」
「そこまでご迷惑掛けるわけには…。
母も一度家に戻るかもしれないので。」
「そう。じゃ、車出すわ。送ってく。
それならいいでしょ?」
それは助かるが…。
「大丈夫だよ。
お母さん、
ドライブ趣味みたいなもんだし。」
オレはひかりたちのことばに
甘えることにした。
ピリリリリ…♪
「はい。露木です。あ、その件は…」
仕事の電話だったらしく、
オレに会った時とは
まったく違う感じで話していた。
「ごめんね。
30分くらい待っててくれる?
どうしても今仕上げろって
クライアントに急に言われて…。」
「はい。」
「あ、わたしリビングで仕事して、
双子ちゃん達も見てるから、
ひかりの部屋で待っててくれる?」
……⁈
「うん。修造、なにか食べる?」
「あ、いや、いい。」
「じゃ、お茶いれるね。」
ひかりはキッチンへ行ってしまった。