第23章 -初対面③-
「虹村くん…」
「はい。」
ひかりが行ってしまって
おばさんと2人きり…
何を話すか迷っていると、
おばさんから声を掛けてくれた。
「こんな時に言うのも変だけど、
ひかりのこと…色々ありがとう。」
「…?あの…なんのことですか?」
「検査結果一緒に聞いてくれたって。」
あぁ。そのことか。それくらい別に…
「わたしもひかりの父親も、
土日もなかなか休めなくて…。
あの子が不安なのはわかってるのに、
あの子の「大丈夫」ってことばに
甘えちゃって…。
今回は虹村くんがいてくれたから、
ひかりも安心してたみたい。」
「オレは一緒にいただけですよ。」
「それが大事なのよ。
わかっているのに…ね。
ひかりの部屋、階段あがって左よ。
虹村くんも疲れたでしょ?
少しゆっくりしてて。」
おばさんはそのまま
リビングへ行ってしまった。
オレは妙に緊張しながら、
ひかりの部屋に向かった。
1人になると親父のコトを
考えてしまう…。