第23章 -初対面③-
オレが頷くと
その人はパッと顔を輝かせ、
オレに駆け寄ってきた。
「やっぱり‼︎
ひかりがいつもお世話になってます。
ひかりの母です。
お父さんのこと、ひかりから聞いたわ。
もう大丈夫なの?」
見た目もひかりに似ているが、
よく喋るトコロもよく似ている。
さすが親子。
ひかりの母親は、
オレに挨拶する隙も与えず、
一気に喋った。
「はい…。
とりあえず今は…大丈…」
大丈夫…ではない。
オレはどこまで話すべきか考える。
「弟さんと妹さんも待ってるてるわ。
中に入りましょ。」
ひかりの母親は、
優しい笑顔で微笑み、
それ以上は聞かなかった。
やっぱり親子だ。
ひかりもそういうヤツだ。
「ただいまー。ひかりー?」
「おじゃま…します。」
双子の靴が並んでいる。
オレはなんだかホッとした。
奥の部屋のドアを静かに閉め、
ひかりがしーっと指を立てながら、
玄関まで迎えに来た。
「おかえり〜って、修造も?
お母さん、一緒だったの?
光平くんと笑未ちゃん、
ちょっと前に寝ちゃって…。」