第21章 -新年度-
4月最初の土曜日の練習。
いつもならひかりの来る日だが、
今日はリハビリで休み。
「マジかよ〜。せっかく来たのに
ひかりちゃん休みかよ〜。
オレ帰ろうかなー。」
「はーいーざーきーっ。
なぁに楽しそうなこと言ってんだよ?」
オレは灰崎にデコピンをくらわす。
「いって〜〜〜っ。
あ、そっか。虹村さんの女か。」
「うっせぇ‼︎
お前、散々サボっといて
土曜日ヘラヘラ出てくるなんて
いい度胸してんな。
今日の練習覚悟しとけよ?」
オレはあと2回灰崎にデコピンした。
灰崎もなぁ…。
練習サボりすぎると、
いくらうまいっつっても、
体力面やコミュニケーションで、
他のヤツと差も出てくる…。
特に今度二軍から来るヤツは、
同じポジションだしな…。
まぁ、この先どうするかは、
最終的にはアイツが
自分自身で決めることだが…。