第1章 片想い
これは昨日の話
私は授業が終わり、図書室にでも行こうかと考えてたとき。
「…菊丸君。いいかな?」
隣のクラスで割と人気のある女の子が英二に話しかけていたところを発見して。
興味本位で尾行して。
「…菊丸君、あっあの…私…ずっと好きでした。付き合ってください!!」
『えっえーとー…』
告白現場に居合わせてしまったのだ。
(まあ自分が勝手についてきただけなのだけど。)
「私二年のときにクラス一緒になって、菊丸君がフレンドリーに話してくれて…その頃からすきなの。今はクラスが違うけどでもすきなの。私じゃダメかな…」
『あーえっとー今は彼女作る気ないんだにゃ…』
「えっじゃじゃあ、河東さんは?よ、よく一緒にいるみたいだし…」
『えっえ?彌生⁈彌生はクラスずっと同じなだけで親友?みたいなもの!全く恋愛とかじゃないよん!』
ー…え?
「じゃっじゃあ私にもチャンスがあるの…?」
『今は本当に誰とも付き合うとか決めてないんだにゃ!ごめん!』
その子は泣いて帰っちゃって英二だけぼっちで取り残されている。
ー…あー、あーそうなんだ。英二は私のこと
【親友】なだけであって、【好き】とは見てない。…か。
「…あはは。私バカみたい。」
頬を何かがつたっていくのがわかるけど拭うこともせず。
自分の中で温めてきたものが全て崩れ去って。
それでも諦めつかなくて。
掴むことのない想いをしまったのだった