第1章 片想い
どんなに願っても。
あなたは私の手は握ってくれない
こんなにおもっていても
だめなのですか?
ー失恋
「英二ー…!!!」
『うわぁ…彌生!いきなり抱きつかないでにゃ』
「いいじゃない♪減るもんでもないんだしさ」
昼休み。
午前中の授業を終え、屋上へと足を運んだ私。
そしたら案の定英二と不二がいて。
私は二人のところへ行き、英二に抱きついた。
英二とはクラスが一年の頃から一緒でとても息ピッタリ。だから私とすぐ打ち解けてくれて。
不二とは三年のときにクラスが一緒になり、英二と部活が一緒だったからすぐに仲良くなれた。
それで今では一緒にいることが多い。
ー…まあ私は好きなんだけどね。
「本当英二はタコさんウィンナーすきだよね」
『にゃに⁈ばかにしてんの⁈』
「してないしてない(笑)いつもお弁当にはいってるなって思うだけ。それに比べて不二のお弁当は真っ赤だよね」
「「…あぁ。タバスコたっぷりかけたからね。そういう彌生のはいつも綺麗な彩りだよね」」
「んまー健康には気遣ってるつもりだからさ。ちゃんと三色入れるようにしてるし」
『え、彌生は自分で作ってんの⁈』
「え、あっそうだよ。うち母親出張で忙しいし」
『今度作って来てよ!食べたいにゃ』
ーとくん。
その言葉にきゅんとしてしまう私。
「えっあ、うん。いいよ?でも味の保証はしないよ?」
『やったー!!彌生のお手製食べられる♪』
一つ一つの反応、行動に目が奪われる。
(私のことなんて興味ないくせに)
声にならない言葉を胸の奥にしまって。
綺麗に綺麗に忘れられたらいいのに。