第45章 青い夏に【花巻 貴大】
case2 〜花巻 貴大 の場合〜
俺は、彼女とか作りたいってそりゃ思う。
だって、俺もれっきとした高校3年男児だぜ?
そりゃ、あんなことやこんなことも悶々と考えては、虚しくて枕を濡らす日だってあるわけで。
いや、それは盛った。
まあ、悶々とするのはある。
けどさあ、俺わかんねーんだよな。
"好き"って感情が。
言うなれば、likeとloveの違いが。
女友達だって多いほうだと思う。
けど、俺の中ではみんな"love"ではねーんだよ。
いや、そうだったら問題だけど。
今こうして、補習の合間に机に項垂れてパタパタと部室から誰のかわからないうちわをパクってきて、一番仲良くしてくれてる津田の前で悶々とまた考えてる。
俺の最近の悩み。
カレカノの関係って、どうやってなるの?
俺多分、このままだと将来一人身な気がして虚しくなるんだけど。
近頃はぬいぐるみ抱っこして眠ってるんだぞ。
これは、内緒。
あー、もう誰かこの気持ちわかんるやつ居ねぇの?
及川に相談しろ?
は?ヤだし。
あいつに相談したら、仮に可愛い彼女が出来たとしてもぜってー長続きしないだろ。
まっつん?
ムリムリ。俺にはあのお方はレベルが高くって真似できねー。
岩泉?
あいつに相談しても多分まともなのが返ってこない。あいつはバレー一筋だからな。
あいつモテるのに鈍感だからな。
かわいそうなやつだ。誰か岩泉に恋心を与えてやって。
ちがうちがう。
岩泉の恋路は今は関係ねーな。
とりあえず、俺にも恋ゴコロを誰かください。