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【ハイキュー!!】夢の続き番外編☆

第44章 *たとえあなたが忘れても* 【澤村 大地】


「なんで…………

なんで澤村くんは………、こんなにもしてくれるの?


わたしは2日経てば、澤村くんのこと忘れちゃうかもしれないのに………」


「それは………」



事故にあってから、数カ月。
俺はあれから、色々と考えた。

俺が、代わってやれたらいいのに―
そう思うのと反面、どこかで俺じゃなくて良かった、と思っている自分がいると思うと怖かった。

だけど、助けたくて。
救いたくて。



「それは、俺は

葵が好きだからだ」




驚き見上げる彼女の顔。
まっすぐ俺は、彼女の見開かれた大きな瞳へ視線を投げる。



「わたし………

わたしね、目が覚めた時
自分が何なのか、何もわからなかった。
事故にあって、記憶が失くなったって聞いた時、そのこともわたしは、覚えてなくて……
正直、こうなっちゃうならいっそのこと
死んでしまえばよかったって、思った。

お母さんに、「葵のお母さんだよ」って言われた時もし実感沸かなくてずっとモヤモヤしてた。

心に黒いモヤがずっとあって、これが何なのか分からなくて。


でも、澤村くんに出会って
毎日毎日お喋りして、そのモヤが何なのか、分かったの――」



津田は、一呼吸おいて
俺をまっすぐに見た。


もう、昔と変わらないほどの瞳。
光が宿っていて、それでいて強い。

彼女がこうして、俺を見るのは
事故があってから初めてかもしれない。

俺は、ごくり、と生唾を呑んで
次の言葉を待った。







「わたし、澤村くんが………………好きです。」





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