第44章 *たとえあなたが忘れても* 【澤村 大地】
何度自分を責めただろうか。
俺達は、何の悪いこともしていない。
ましてや津田なんて、なおさらだ。
スガは毎日俺を慰めてくれた。
「大地のせいじゃないべ。
だから、責めることない。」
それでも、だ。
俺が退院してから2日後。
彼女の母親から、一本の電話があった。
「澤村くん、葵が目を覚ましたの。
会ってやってくれないかしら?」
おばさんは、毎日見舞いに行く俺にとても気遣っててくれた。
彼女が眠る、傍らで毎日謝る俺を見て。
俺はその電話を受けて、すぐさま学校を飛び出した。
病院への道のりが遠く感じられる。
それでも、彼女が目を覚まし、またあの笑顔が見られると思うと……
俺は、必死に走った。
病院につき、彼女の病室の扉をノックした。
中からは、おばさんの「どうぞ」という声。
肩で息をしながら、扉を開いた。
心臓が耳元でドッ、ドッ、ドッ、と早く脈打つ音が聞こえる。
中に入って、俺は彼女を見た。
「津田 大丈夫か!?
よかった……お前が目を覚ましてくれ――」
「…………だ、れ、ですか?」
おばさんは、辛く悲しい顔をしてて。
俺なんて、今どんな顔してるんだ?
津田とこうして顔を見合わせることができたのに。
俺は、今
どんな顔してるんだ…………