第42章 ちょっと遊びませんか?【赤葦 京治】
どうしたんだろう
今日はやけに積極的………
まさか部活で嫌なこととかあったのかな……
私は恐る恐る赤葦君の背中に手を回し、キュッと控えめに抱いた
多分、今の私の顔は真っ赤だろう
葵
「なんか、嫌なこと……あった?
私で良ければ………聞くよ?」
赤葦
「………別に 何もない」
スルリと彼は私から離れて、帰ろうと言った
あ、あれ?
なんか、冷たい?
葵
「うん」
電車の中は人気が少なくて、この車両には私達2人しか乗っていない
ちらりと赤葦君を見ると彼は相変わらず風景を眺めているだけだった
少しでも、期待している私はいけない子でしょうか……
赤葦
「ねぇ、どっか
行かない?」
葵
「えっ」
今度は彼をちゃんと見ると、そのまま真っすぐ風景を見ている横顔があった
バチリ
こちらを見た赤葦君と目が合う
赤葦
「どう?」
葵
「………行きたい」