第41章 *桜並木でまた会いましょう*【赤葦 京治】
息を切らしてようやく部室の扉を開けることが出来た
中から覗くのは、今まで戦ってきた仲間たちの顔
おっせーぞー!とムスッとした表情をする主将さん
その他皆は笑顔で迎えてくれた
「木兎さんと違って津田さんは人気者ですから友達とか写真頼まれたんですよ、ね?」
「えっ、まあ、うん……」
赤葦くんが私に顔を向け問いかけた
あまりにも的中してるもんだから、私はびっくりしながらもニコリと笑いながら答えた
「撮ろうぜ」木葉くんが言った
カメラのタイマーをセットして、適当な高さに置いてその向こうには私達部員がせせこましいこの部室にズラリと並びカメラに向かってポーズをとる
「なんだよ、津田!
そんな端っこに居ないで、もっと前へ出ろよ!」
小見くんがグイグイと引っ張り、一番前に立たされる
「えー……」と言いながら、そこに立つ
ピッ、ピッ、ピッとカメラが小気味良くカウントダウンを始める
そして、2秒前に私は皆の顔を見回した
ニッカリ笑っていた
また前を向いて、今まで撮ってきた写真よりもニッカリと笑顔でカメラに収めた
カシャッ
「もう一枚撮ろうぜ」と木葉くんが言った
もう一度カメラのタイマーをセットしてまた同じ場所に立つ
今度は皆、ニッカリ笑顔じゃなく、ふざけあって
木兎くんは京治くんに肩を抱きに言って「笑えよ赤葦ー!!」とはしゃぐ
ああ、ウチらしい………
この仲間とも、もうお別れなのか
そう思うと、涙が滲んできた
カシャッ