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【ハイキュー!!】夢の続き番外編☆

第40章 *白……*


「お腹空いちゃったなぁ」
と彼女が照れくさそうに言った

「何か食いにいくか」と言って、俺は繋がれたままの左手を自分の羽織っているジャケットのポケットへ突っ込んでやる


ああ、いい忘れてたけど俺達は見ての通り所謂『クリスマスデート』をしている
周りを見渡せば溢れんばかりのカップルでごった返している

はぐれないようにポケットの中の手をギュッと握り締めると、葵も握り返してくれる
そのやりとりが妙に気恥ずかしくって、今の俺ちょっと顔赤いと思う


適当に喫茶店に入る
葵は、珈琲とスイーツを頼み今は目の前で美味そうに頬張っている
「うまいか?」
と聞けば、ご満悦そうに「うん」と返ってきた

そして、「クロも食べる?はい」
と、スイーツののったスプーンを俺に向ける

俺はパクりとそれを口に入れた

「珍しい……」

と彼女がボヤいた
「なにが」と聞けば、「クロ、あーんとか普段しないのに」って

「猫はあーんしないのに」って付け加えて

いいじゃねぇか
俺だってあーんくらいしたい時あるんだよ


って言いてぇが生憎口の中にあるスイーツを食べているので言い返せない

俺が食べ終わったのを見て、葵が「どう?」
と聞いた

美味いのかわりに俺は口を開けた

「はいはい
はい あーーん」

ともう一口貰った




「クロはさぁ――」
と、スイーツを食べ終わり頼んだ珈琲が入ったコップをクルクルまわしながら葵が聞いた

「クロはさぁ、大人だと思うよ」

「どこがだよ」

「周りの人をよく見てるし、気が使えるし
手を伸ばすじゃん」

んー、そうか?と聞けば即答でうんと返ってきた

そんなら俺はお前の方がずっと大人だと思うね
お前には手を引っ張ってもらってばっかだったしな――


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