第40章 *白……*
俺はお前に助けられてばっかで、いつもお前の優しさに頼ってばかりだった
俺だけじゃなく、周りの人間もこいつに助けられたことは沢山あるだろう
誰彼構わず助けられるお前って凄ぇと思うし、大人だと思う
ツリーの前にやってきた
「大きいねぇ………」と感嘆の息をもらす葵
ツリーのイルミネーションで、葵の瞳もキラキラと光っていた
「なあ、葵……」
呼びかけるとこっちを見て「どうしたの?」って微笑む
「俺達、20歳になったらどうなってるんだろうな」
「うーん……
わからない
わからないけど、私は
2年後もクロと一緒がいいな」
お前の頬が赤いのは寒さのせいか、それとも照れてんのか?
どっちにしろ、その発言はずるい
ギュッ
葵を抱き寄せる
あったかい
落ち着く
「クロ……?
恥ずかしいよ」
「鉄郎」
「?」
「鉄郎って、呼んで」
「どうしたの、いきなり」
「いいから」
「て、てつ…ろう///」
「ん〜
もっと」
「ヤダよ!//」
「なあ葵〜」
「なに?//」
「俺、ずっとお前の優しさに甘えていいか?」
「何言ってるのよ
当たり前じゃん」
俺って、よく猫みたいって言われるんだ
自分ではよくわかんねぇけど、お前の優しさに甘えられる時だけ俺は猫なんだなって実感するわ
ほら、猫は寒くなるとあったけぇところで丸くなるだろ?
な?
猫みてぇ
「なあ、葵……」
「ん?なに、鉄郎」
「キスしようぜ」
―end―