第40章 *白……*
ふと、その子の後、足元に置かれた物に目が行く
その子はその視線に気がついてそれを取った
そしてずいっと私に見せて「バレーボールっ!」と嬉しそうに言った
「バレーしてたの?」
「うん!俺、バレーでぜんこくに行く!」
「そうなの!?すっごいね!!」
こんな子なのに凄く大きな夢を持っている
「バレー、好き?」
「大好き!!」
ニカッと笑う幼いその子
「あっ!おねーさんは?」
「私も好き」
ニッと笑う
そして、ピンと思いついた
「ねえ、今からうちの学校にこない?
体育館で、練習するんだ」
「行く!!」
「じゃあ、行こっか」
「あ、待って!」と言って、その子は木の下へ駆けつけて行った
そして、木に触れて「また後でね!」って言った
やばい、くっそかわいい
帰ってきたその子は、速くいこいこ!!と言って、私の手を引っ張る
「はいはい」と笑ってその子と手を繋いで我が高校、梟谷学園へ向かう
「そういえば、君の名前なんていうの?」
「木兎 光太郎!
おねーさんは?」
「私?私は津田 葵」
「葵はバレー部なの?」
可愛い子に呼び捨てされたよ
昇天するww
「そうだよ〜
私の高校は梟谷学園って言って、男の子のバレー部は強いんだよ」
「そうなのか!?
じゃ、俺ふくろうだにがくえんに行く!」
「おお!!
いいね!来な来な!!」
楽しく会話を弾ませていれば、普段遠いと思っていた道のりが凄く近くに感じた
あっという間だった
「着いたよ」
「うわぁぁあ!!
体育館でっけえ!!」
クリクリした大きな瞳をもっと大きく見開いて、体育館360度ぐるっと見渡す
「葵遅い って、誰よその子は」とチームメイトに問われた