第39章 *平凡な毎日にピリオドを* 【及川 徹】
葵
(そういえば、なんでこの学校にきたんだっけ……)
私が通っていたのは、北川第一中学校
当時は女子バレー部に所属していた
同じ学年で、男子バレー部に所属していた及川という男と知りあってからは退屈なんて言葉を忘れられた
葵
(あの頃は楽しかったな……)
岩泉と及川と私で騒ぎ立てて、及川達の後輩である子たちを可愛さ故にいじめたり……
ひたすら、ひたすら笑っていた気がする
ああ、いけない
テスト中だった
やっと窓の向こうの情景から目を離し、動いてなかった右手を動かす
ノスタルジーと化していた思考を無理矢理数学の頭に切り替える
も、やはり分からないものは幾ら考えたってわからないもので………
視線はアザミの紙を捉えたまま、動いていた右手はだんだんにぶっていった