第39章 *平凡な毎日にピリオドを* 【及川 徹】
もともとない頭をフルに回転させて、やっと提出できるくらいのレベルにまで書き上げた答案用紙
時計を見やると、まだチャイムが鳴るまで20分はある
これ以上、考えられることはないし、とすればする事なんて限られてくるわけで……
さっきと同じようにまた、頬杖をついて窓をぼんやり見つめた
街並みからは、選挙カーが通っていくのが音で分かった
もうすぐ選挙があるのかと、のんびり考えていた
これが後、3年すれば私も選挙しに行かなくては行けない歳になるのか
ーーーーーコンコンッーーーーー
机が叩かれて驚いて音の発生源、それから上を向けば呆れたような怒ったような顔をした試験監督が……
「お前、テストは完璧なんだろうな?」
小声で聞かれる
そうだ
この先生、確か数学の担当だっけ
葵
「分からないんです」
何て答えるとゴスっと小突かれた
いや、小突くというよりは殴るの方が正しいかもしれない
葵
(………数学はキライ)
そういや、岩泉は理系だっけ
及川と私は、文系で
岩泉に「どうしてそんなに数学出来るの」かって聞いたら
岩泉
「俺には書いたやつの心情とかを文面で読み取る方が難しいわ
数学なんて、公式覚えたら簡単だべ?」
私と及川はこれを聞いて、何いってんのこの子
と思ったのだ