第30章 手を伸ばせ【影山 飛雄】
自主練も終わって、解散するという時に
葵と菅原さんが体育館裏へ行くのを見てしまう
まただ
また黒いモヤモヤが渦巻く
今度は焦りと一緒に
旭さん
「おお……
スガも青春か〜」
大地さん
「お前はジジィか」
旭さん
「えっ……
大地、もっと言い方ないのか?」
大地さん
「ある訳ないだろ」
やっぱり、菅原さん
葵に告白すんのか………
所詮、俺には無理だ
告白して、断られでもしたら
今の関係は崩れる
そうなるぐらいなら、しない方がマシなんじゃねえのか?
足早とそこを去った
1人で帰るなんて、初めてだ
ずっと、あいつと帰ってたからな……
俺の足はいつの間にか、歩みを止めて
走りだしていた
体育館裏へ向けて
何も考えず
ただ、必死に
日向
「どうした?忘れもんか?」
「ああ!」
すれ違う日向に
「大事なモン忘れた」
そう言えば、日向は「??」を浮かべていた
体育館裏へ
たどり着く