第8章 悔しい涙
「ご、ごめん。つい....」
「いいっていいって」
田中は起き上がりながら笑って言った。
「つか、来てたのな」
「うん。ほとんど見られなかったけど」
「この後も試合あっから応援してくれ」
「うん!」
「じゃ、俺たちはミーティングとかあるから、またな」
手を振り、吉村から遠ざかっていく。
吉村は次の試合まで、他校の試合を見て待つことにし、また2階へ上がり、椅子に座った。
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烏野VS伊達工
この試合は凄まじいものだ。
『鉄壁』と謳われる伊達工。
烏野のスパイクは何度もブロックに阻まれた。
それでも、なんとか道を切り開き、勝利した。
吉村は黙ってそれを見ていた。
試合が終わっても、田中のところには行かず、そのまま家へと帰った。
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2日目
吉村は早起きをし、昨日より早めに家を出る。
吉村が体育館に着いた頃はまだ試合は始まっていない。
(あれ、今度は早く来すぎちゃったかな)
椅子に座って待っているとぞろぞろと田中たちが体育館に入って来た。
ウォームアップを始め、気合十分なところを対戦相手の青葉城西に見せつけた。