第8章 悔しい涙
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田中と吉村が図書室で話をしている時、外にいるバレー部たちはというと....
「あ!あいつ!」
突然西谷が声を上げる。
「なんだ、西谷知っているのか?」
東峰が前で屈んでるに西谷に聞く。
西谷はうんうんと頷く。
「あいつ、確か、吉村美颯って言うやつです。特進クラスの女子。クラスではムードメーカー的な存在らしい」
「え、特進クラス!?よくそんな頭いい人が田中みたいな人を選ぶんだろ
(みたいな人って....)
菅原は東峰の発言に対して突っ込みを入れる。
微苦笑を浮かべている菅原に、東峰は、なんだ、という顔を向ける。
「あ!出てくる!」
日向がそう言い、2人の様子を見てみれば、ちょうど椅子から立ち上がっているところだ。
皆はぞろぞろと、廊下の角の影に隠れる。
2人は出てきて、隣の図書準備室の前に荷物を起き、吉村がノックをして入った。
最後に、さよならという声が聞こえた。
階段を降りたことを確認し、皆はぞろぞろと後を追う。
「いいのかなぁ、こんなことして」
東峰がなにか悪い事をしている様な声色で言う。
「俺達はただ、田中とあの子を見守っているだけだ」
澤村が言うと、本当にそんな感じがして不思議だ。
そうだ、俺達はただ見守っているだけなんだと、思い込まされる。