第7章 凸凹
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部活が終わり、正門に行くと吉村が既に待っている。
「吉村!」
吉村は俺の方を見、微笑んだ。
「お疲れ様」
「おぅ。そういや、吉村って何の部活入っているんだ?」
俺たちは横に並び、歩いている。
どこでサッカーするんだ?と聞いても答えてくれない。
「吹奏楽だよ。中学の時もしててね」
吉村についていくこと15分。
俺が普段通らない道を通る吉村。
一体俺をどこに連れていくんだ?
サッカーするんだから、それなりに広いところのはず。
すると、ちょっとした公園が見えてきた。
吉村はそこに入る。
俺も入る。
日も暮れ、空には星が瞬いている。
公園には俺たち2人しかいない。
周りには民家がない。
そのため、世界には俺たち2人しかいないような錯覚が生まれる。
吉村はどこから持ってきたのか、サッカーボールを持っている。
「試合、しないか?」
突然、そんなことを言う。
口調がいつもと違う。