第7章 凸凹
夕side
俺はずっと考えている。
吉村の『小さい頃から』という言葉について。
小さい頃からということは、小さい頃に会っているということ。
小さい頃を何度振り返ってみても思い出せない。
いつ吉村と会ったのだろう。
「なぁ、吉村」
考え始めて1週間。
俺は考えるのを諦め、吉村に直接聞こうと話しかける。
「俺ら、どっかで会ったことあんのか?それに、吉村、俺の事下の名前で呼ぶしよー。なぁ、教えてくれよ」
吉村は黙ったまま、何かを考えているよう。
それから、思いついたように口を開く。
「........サッカー、しよう」
「え、サッカー?」
俺は吉村の言葉き疑問を持った。
俺は疑問を聞かず、いいよとだけ言った。
「今日、部活が終わったあと。正門で待ってる」
「え、今日?」
「そう、今日」
そこで5限目の開始を知らせるチャイムが鳴った。