第7章 凸凹
夕がたくさん点を稼いでくれたおかげで私のチームは勝った。
別れ際、夕が私に握手を求めてきた。
「おれ、西谷夕。あんたは?」
私は握手に応え、名乗った。
夕がギュッと手を握ったから私も握り返した。
「いい名前だな!またな、美颯」
そう言い、夕は手を振って公園を後にした。
いきなり下の名前ってどうなの。
とか思ったけど、今になってみて思う。
男の子に初めて下の名前で呼ばれて嬉しかった、と。
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あれ以来、夕とは会わなかった。
私と夕が出会って6年が経つ年の春。
私は烏野高校に入学する。
クラスに、男子の平均身長よし何cmか低い男子がいた。
私はひと目でそれが夕だと分かった。
相変わらず背が低い。
夕は私に気付くことなく1日が過ぎた。
自己紹介の時に気付かなかったのだろうか。
その次の日。
私の身長測定がちょうど終わった時。
夕が私に話しかけてきた。
私の肩くらいに頭のある夕。
小さくてかわいいと思った。