第6章 本を読む人
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非常階段の女の子はずっとそこにいる。
学校の制服を着ているが、授業に出ていない。
不思議におもった俺は、聞いてみた。
「俺、東峰旭。どうして授業に出ないの?」
俺は5限目の授業をサボり、非常階段に来ている。
前と同じ本を読んでいる彼女に話しかけた。
すると、すっと顔をあげ、「吉村美颯」と名乗った。
すぐに目線を本を戻した。
「待ってるから。ここから動けないから」
「え?」
「そういう貴方はどうして授業に出ないの?」
俺は、吉村が座っているとこより2段下の階段に腰を下ろした。
「君と。吉村と話したいからかな」
俺に吉村の顔は見えないけど、きっと今キョトンとしていると思うな。
俺は、その本はなに?だとか髪綺麗だねだとか、様々な話題を振った。
その度に吉村は笑ったり教えてくれたりした。
「吉村は誰をここで待ってるの?」
「私をここから連れ出してくれる人」
すると、ジャラっと鈍い金属音が耳元でした。
俺は左側を見ると、そこには............