第4章 報われない
美颯side
多分、影山がトイレに行くというのは嘘だろう。
微かに足音がする。
隠してるのがバレたかな?
「ねぇ、日向」
「ん?」
日向が私を見る。
顔が近い。
やばい
顔が熱い
「あのね、違ってたらごめんね。日向と影山って付き合ってる?」
真実を知ろうと聞く。
日向の顔が赤くなるのがわかった。
あ、やっぱりそうなんだ
「な、なななななんでわかるの?」
赤面した日向ってかわいい
焦る日向も
「前にね、手を繋いで帰っているのを見たことがあるの」
「へ....変だとか気持ち悪いとか、思わない?」
「どうして?思わないよ?逆に羨ましいと思う」
「え....!?え、もしかして吉村ってか、影山のこと........」
「違うよ」
まさかそういうこと思うなんて思わなかったから少し笑った。
「私ね、好きな人がいるんだけど、その人は付き合っててね。日向たちが羨ましいんだ」
「え....そうなのか?なら、おれ、応援するぞ!」
「ありがとう」
日向ってほんとあほっつーかばかだよね
私の好きな人が日向だって知ったらどうするんだろ
「あのね、日向。望みなんてないからもう言うつもりなんてなかった。だけど、言いたい」
「言って後悔しねーのかよ」
突然影山が部屋に入ってきて一言。
私は影山の方を向いて、
「いいの。それとも、大事な恋人が私に取られるのが怖いとか?」
「んなことさせねー!日向は俺のもんだ!」
あら、また大胆なこと言ってますね
「ならいいじゃい」
「っ....勝手にしろ」