第3章 近所
また『田中』だ........
「話変わるんですけど、吉村さんは田中さんと仲いいんですか?」
「始まる前もそんなこと言ってたね。仲いいというか、私が転入してきて初めて話したのが田中なの。それから、話すようになったけん、仲いいんだと思う」
吉村さんは笑う。
少し頬を染めて。
俺は直感した。
あぁ、この人は田中さんが好きなんだと............
「あの、もしかして好きなんですか?」
「ふえ!?」
あからさまにおかしい。
「私が!?田中を!?」
俺はうんうんと頷く。
「ちゃうちゃう!私は田中のこと愉快なやつだとしか思ってないよ」
ちゃ、ちゃうちゃう?
犬?
「そ、そうなんですか?それと、ちゃうちゃうとは?犬ですか?」