第3章 近所
その子は少し驚いた顔をする。
でもすぐににっこりと笑う。
「私は吉村美颯。2年1組よ。よろしくね、影山くん」
そう言って吉村さんは行ってしまった。
また会えるのを期待して、俺は走り出す。
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その日の放課後。
体育館にマネ以外の女の子がいた。
吉村さんだ。
吉村さんは俺に気づいて寄ってくる。
「あれ、影山くんじゃん。バレーボールやったんやな!」
陽気な声で言う。
「はい。そういう吉村さんはどうしてここに?」
「吉村さんやなんて」
彼女は笑う。
どうして笑っているのかわからない。
「私は田中に誘われたけんおるんよ」