第3章 近所
その日、俺は朝早く目が覚めてしまったため、ランニングでもしようと思い、外に出た。
東の空はちっとも明るくない。
まだ日、昇らないんだな
なんてことを思っていると、前から人影が見えてくる。
その人影はリードに繋がった犬を散歩しているようだ。
こんな朝早くに散歩というのも少し変な話しだ。
通りすがりに顔を確認する。
その人は越してきた女の子だった。
「あのっ!」
俺は思わず引き止めてしまった。
その女の子は振り向き、「ん?」と言った。
「えっと....その....」
何も考えていなく、口ごもる。
「あの!俺、1年4組の影山飛雄です。良ければ名前、教えてくれませんか?」