第1章 雨降る季節【黒バス:黄瀬涼太】
リコさんに私が海常高校の生徒だと伝えると、驚いた目をして、『マネージャーなの?』と聞かれた。確かに私は小さいし童顔だから中学生に見えるかもしれないけど少し傷付いた。
体育館にいくとやっぱり運動部特有の蒸し暑さがあった。今は試合形式の練習らしく、ビブスをきてプレーしていた。すぐに目に入ったのは、赤っぽい髪の色の人と、静かにパスを回す水色の髪の人。この二人だけは他の人とは違う。そんな違和感を感じた。ボールが出て、リコさんが持っているフエがなる。
「一回休憩!けど、集中力は切らないで。」
これから休憩か。体育館を見渡すと、右端のドアにボロボロになりかけている黄瀬くんがいた。