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短編集【黒バス・リボーン】

第1章 雨降る季節【黒バス:黄瀬涼太】


「うん。なんか、一回家を出てから忘れ物に気付いたから遅れるかもって。」
私からしてみると、これは凪沙の嘘にしか聞こえない。
「どうする?黄瀬くん、勉強始めちゃう?」
「そうッスね・・・。凪沙っちが来たらまた同じ説明をしてもらえばいいわけだし。」
それから勉強会が開始された。今日はお兄ちゃんは友達とストバスをしにいくらしい。よく黄瀬くんがお兄ちゃんの誘いにのらなかったなと感心する。始めの10分は黄瀬くんもかなり集中してた。けど、始まってから30分くらいたった頃、黄瀬くんの集中力が切れた。
「もー、無理ッス!わかんねぇッスよこんな問題。」
「じゃ、少し相談してみよ。そういうのも大事だから。」
ちらっと、黄瀬くんがやっていたプリントを見た。でもプリントはほとんど真っ白で序盤の問題の答えが埋まっているだけだった。しかもほぼ不正解。ここまで来ると、黄瀬くんを尊敬したくなる。なぜ、そんなに勉強ができないのか。
「つかぬことを聞くけど黄瀬くん?」
「なんスか?」
「黄瀬くんは中学卒業の頃、どのくらいのランクだったの?あと、4月にあった実力テストの結果は?」
「えーと、ランクがHで実力テストは382人中365位ッス!」
もうダメだ。この人は、本当に推薦で海常に入学したんだ。やっぱり勉強教えるのやめようかな。
「架那っちは?」
「え?私はそのランクはA、実力テストは382人中2位だよ。」
「架那っちってそんなに頭よかったんスか?」
「それなりに勉強はしてるの。部活もやってなかったし。」
あの時はまさか、男子バスケ部に入るとは思ってなかった。
~~~~♪
タイミング良く携帯がなった。こんなにいいタイミングで来るのは凪沙しかいない。・・・。携帯を開き、メールを見ると、
『はーい、楽しんでる?私これから出かけることになっちゃったから勉強会行けないわ。ごめんね♪今度埋め合わせするから許してー♪
P.S.愛しの黄瀬クンと楽しい時間を過ごしてね☆報告待ってるから!』
と、なんとも腹立たしい文面だった。
「誰からッスか?」
「凪沙が来れなくなったからその連絡。」
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