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短編集【黒バス・リボーン】

第1章 雨降る季節【黒バス:黄瀬涼太】


夜だから暗くて、怖い事もあって私はプリン山の中に隠れた。寒い。体が震えてた。こんなに暗くなって、お兄ちゃん心配してるかな。あぁもう、全部どうでもいいや。そう思いかけたとき、誰かが公園の中を歩く音がした。ばれたらまずいと思って息を潜めた。でも足音はだんだん近付いてきて、プリン山の方に来た。

「見つけた。」

驚いた。予想はしてたけど、まさか本当に黄瀬くんだとは思わなかった。今は黄瀬くんと話したくない。そう思っていた私は、逃げた。

「あ、架那っち!そんなんじゃ風邪引くッスよ!」

そう言いながら黄瀬くんは私のあとを追いかけてくる。やっぱり実際にスポーツをしてる人としてない人では当然後者が負ける。私は後者なわけで、必死に逃げていてもどんどん差が縮まっていく。そうしてプリン山を出ようと思った瞬間、捕まった。

「やっと捕まえたッスよ、架那っち。何で逃げるんスか?」

「…。」

私は何も答えなかった。もう、黄瀬くんに話すのもどうやって話してたのかも思い出せない。わからなくなった。もう嫌だ。これ以上黄瀬くんに嫌われたくない。話したいと思っても、口が開かない。頭がパニックになって、私は意識を手放した。


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