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短編集【黒バス・リボーン】

第1章 雨降る季節【黒バス:黄瀬涼太】


私が黄瀬くんを好き?そんなわけない。はずなんだけど、最近はあれ以来黄瀬くんに話しかけられない。どうやって話せばいいのかわかんなくて、私にもどうしようもできない。練習試合は明日。どうしよう。

「架那っち?」
「は、はぃ!?」

思わず声が裏返った。黄瀬くんの事を考えてるときに黄瀬くんに話しかけられたから。きっと、私感じ悪いだろうな。

「明日の練習試合どうするッスか?」
「え、えっとー、部活の時にでも話そうかなーなんて。」

「わかったッス。俺も架那っちに話あるんで、部分の後に話そ。」

「わ、わかった。」

緊張したー。あれ以来まともに話してなかったし、ちょっと気持ち的な問題で気まずかったし…。とりあえず、話せて良かった。

部活が終わって、いつものように玄関前で待っているけど、今日は待っている人が違う。少し、緊張する。お兄ちゃん以外の男子を待つことなんてなかったから。黄瀬くん、今日遅いな。いつもなら部活が終わって10分位したら『お疲れ様ッス!』ってすぐに帰るのに、30分経っても出てこない。みんなと話でもしてるのかな。そりゃそうだよね。黄瀬くんだって今をいきる高校生だもん。人間関係とか色々あるって!って、私はなんで自分を勇気づけてるんだろう。

「ごめんッス。」

突如、聞こえてきた黄瀬くんの声。声がした方に行くと、女の子と黄瀬くんがいた。耳を澄まして聞いてみると、聞きたくない言葉ばかりが聞こえてきた。

「俺、好きなコいるし、それにキミにあんまキョーミないから。ごめん。」

最後の言葉を聞いて、私はその場から立ち去った。別に私が振られた訳じゃないのに、涙が止まらなかった。その涙は同情とかじゃなくて、不安からきていた。私も降られたらどうしよう。面と向かって、キョーミないなんていわれたら私は泣き出すんじゃないかって思った。初めて気づいた恋心。こんな風に気づきたくなかった。ただ闇雲に走っていたら、近所の公園に着いた。途中で後ろから追いかけられてる音がしてた。
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