第7章 帰ってきました。
二年後。
『あーもー・・・暇ぁ!』
「スイレン黙って。私は今眠いの」
『だってさあ・・・?』
私たちは、ある集落の外れの小屋に住んでいる。
小屋はスイレンが木遁で作った。
(カミサマだからオッケーらしい)
そのときは口をあんぐりさせて驚いた。
「ねえ、準備終わったの?」
『もうバッチリだよ。何なら今から出てもオッケーだし』
この小屋ともお別れで、次は1つ村を越えた所に行こうと思っているところだ。
今はここを発つ準備をしている最中。
「―――よし。私も終わったよ。じゃあ今から出よっか」
『・・・眠いんじゃなかったの?』
「ねえ、スイレン。私、スイレンの背中で寝るから、よろしくね」
『ええ・・・?まあいいけど』
お世話になった家に別れを告げ、スイレンに大きな鳥の姿になってもらい空に旅立つ。
「さすがスイレン!眺めいいねー!」
『あはっ、もっと褒めてー?』
「うんうん。えらいね」
『えへへ。―――あ、ねえ、何処いくの?』
空へ飛び立ったのはいいが、行き先を決めてなかった。
「・・・・任せるよ」
『あ、そう?なら、僕が勝手に決めるね?・・・あ、寝てていいからね?』
「・・・はーい」