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うちはに転生しました。

第49章 番外編いち




ここは平和な世界。

過去に争いはあったが、現在は国同士和解し、世界の秩序が保たれている。

記憶を保持して生まれてきた、元・暁のメンバーは今生では時々集まって話をする。

友好な関係を築いているが、この集団にはある目的があった。


「ねえ、絶対おかしいと思わない?僕だけ手違いなんだけど」

「・・・お前、またその話か」

「イタチさんの言う通りですよ。あなたもネチネチとしつこいんです。いい加減割り切ったらどうです?というか、あなたはその顔のおかげで今の仕事があるんじゃないですか」

「そうよ、スイレン。男になったくらい、別にどうってことないじゃない」

「小南はいいよ、女だもん・・・」


周りが前世と同じ姿、性別で生まれてきたのに対し、スイレンは長身のイケメンとして生まれてきた。

今ではその美形を生かし、俳優やモデルとしての地位を確立させている。

イタチは一流企業の若きエリート社員として、その会社で知らない人はいないほどの有名人だ。

顔よし、頭よし、スタイルよし。

同じくその会社に勤める鬼鮫曰く、かなりモテるそうだ。

そういう鬼鮫も、今では誰か分からないくらいの普通の顔で、初対面の時のイタチも思わず笑った程だ。

小南は専業主婦として平凡な幸せを手にしている。

他のメンバーもいるが、今日は予定が合わず集まることができなかったので、今日はこのメンバーで集まっていた。

犯罪者でもなく、世界の変革者でもない彼らの目的は一つ。

“彼女”を探し出すこと。

仮に探し出せたとして、そこからどうするかはまだ決めてもいないが、まずは探し出すことからスタートしようということだ。

スイレンが今の職に就こうと思ったのも、有名になれば彼女に気付いてもらえるかもしれないから。

そう勧めたのは現在のマネージャーであるネネで、狙い通り知名度を上げると共に昔の人間と知り合うことができたのだが、彼女だけはいつまで経っても現れなかった。


「一会社員のオレたちがどうやってアイツを探すか、だが・・・探偵に頼んでみたところで、写真も無いんじゃあ探しようがないだろうしな。偶然か必然か、オレたちも街中でばったり会ったみたいなものだし」

「そうね、こればっかりは待つしかないわ。私がやってることといえば、いつも人の顔を見てることくらいかしら」







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