第4章 弱いものいじめ。

「おおっ・・・・！」







一時間後。

悲惨だった部屋はイタチの手によって、元通りになっていた。





（何でもできるんだなあ・・・）





さすが、天才。










「ありがと、イタチ兄さん」

「いや、何てことないさ。それより、これからどうする？」

「んー・・・」




実を言うと、眠たい。

先ほどから瞼が落ちてきているのだが、何とか意識を保っている。





「・・・ハル、眠たいんだろ？」

「・・・うん、まあ・・・」




どうやら、見破られていたようでした。












「おやすみ」

「おやすみ」





二人でベッドに入る。

私はイタチは帰るものだと思っていたのだが
何故か当たり前のようにベッドに入ってくるので、そのままにした。




ポン、ポンとリズムよく肩を叩かれ、心地よい眠りが押し寄せてくる。






「・・・おやすみ」





頭に口付けられたと分かったと同時に、私は意識を飛ばした。

























「・・・寝たか」





一人、妹を寝かしつけてため息をつく。

思い出すのは、あの光景。






グッタリとした妹に、自信過剰なあの男。







本当は、自分の手で殺したかった。







自分の妹を、二度も傷付けた男。

グッタリとしたハルの姿が、あの時の幼いハルと重なった。






ハルは泣いていた。

小南の前で泣いていた。







それを見て自分の不甲斐なさが見に染みて分かった。









“もう２度と――――”





そう誓った筈なのに。








（これほど、うちはじゃなきゃ良かったと思うことはない）






「ごめんな、」


イタチは妹の傷口をそっと撫でると、顔を歪めた。










『弱いものいじめ』




“あの時、誓った筈なのに”