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うちはに転生しました。

第44章 大切なもの





しばらくしてサスケは、目を覚ました。

周りが見守る中、ゆっくりと体を起こす。

隣に誰かが横たわっていた。


(・・・あ、)


「ハル・・・」


血だらけの彼女を見ても、涙は出なかった。

触れた頬の冷たさに、呆然とした。


「まさか、死ん―――・・・」


(お前、また・・・オレを置いて)


漠然とした“死”がハルを覆ってしまっているようにも思えて。


(ああ、オレは)

(また、守れなかった)


今まで散々人を殺してきた自分が、誰かを守ろうなんて、虫のいい話だったのだ。

二度も自分を庇ってマダラに刺されてしまった妹が、その証明になっている。


(これが、オレの・・・罰か・・・?)


“あ・・・なたには、感謝している・・・幸せな夢を、見ていた・・・”

“でも、夢は夢だから”

“嘘は嘘だから・・・嘘が本当になるのは、嫌だ・・・”


「・・・オレは行く」

「でも、サスケ」

「平気だ」


サスケには、精神世界で六道仙人からもらった新たな力が備わっていた。


(・・・行ってくる)


彼女の言葉が、サスケの背中を押した。


(お前ならきっと、“早く行け”って言ってるよな)


ここでオレが諦めてしまえば、全部が終わってしまう。

夢を本当になんてさせない。

苦しくても、彼女といた時間を思い出せなくなるのなら。


(絶対に、オレは諦めない)





『大切なもの』

“守りたいのは、すべて”
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