第43章 対峙
「大蛇丸・・・お前、また何か・・・」
「勘違いしないでください。今回はサスケくんに協力しているだけです」
「協力・・・?」
「この子に、真実を教えていただきたい」
大蛇丸がそう言うと、全員の視線がサスケに集まる。
そして、五代目の火影が綱手であること四代目の初代への挨拶など、私情の挟んだ話をしたあと、やっと初代が本題に触れた。
「お前は、うちはの子か。・・・真実を知りたいと言ったな?何のために?」
「今起こっている戦争・・・それをどう受け止めるか、オレは真実を知って・・・この世界を守る必要があるのかどうか、見極めたい」
「ほう」
扉間が何か言いたげな表情をしていたが、柱間がそれに気づき、目で牽制する。
サスケはそれを気にすることなく、三代目に目線を移した。
「その前に、三代目・・・アンタには聞きたいことがある」
「・・・なんじゃ?」
「イタチが命令で一族を殺したことも、それがオレを助けることだったということも、もう知っている。・・・イタチが、妹を連れて逃げたことも」
「・・・そうか」
「今、ハルはマダラに操られている。・・・そのハルが、オレに・・・“アンタに聞け”って、言ったんだ。・・・教えてくれ、ハルとクロはどんな繋がりがあるんだ?」
「・・・ハルは、何も言わなかったのか」
「ああ」
三代目は、サスケをじっと見て、それから目線を下へ落とした。
「クロがお前の前に現れたのは、いつのことだ?」
「・・・オレが十歳のときだ。ひどい雨で・・・スイレンが、クロを助けてくれと言ってきた。・・・ハルにそっくりだったから、オレもつい、家にあげて・・・そこからだ」
「・・・“そっくり”じゃなかったら・・・どうする?」
「は?」
「“そっくり”ではなく本人だとしたら」
「は・・・?何言って・・・それじゃあまさか、ハルが、クロだとでも言うのか・・・?」
三代目が無言で頷く。
「あなたたちきょうだいは本当に興味深いわね・・・いくら研究したって飽きなさそう」
「大蛇丸様、それ今言うことじゃないでしょ・・・ねえ重吾、“クロ”って、あのクロだよね?」
「少なくともオレの記憶には一人しか思い当たらない」