• テキストサイズ

うちはに転生しました。

第41章 スイレンの覚悟




「わかりました。あなたに・・・協力します」

「・・・ありがとう」

「暁の人間はハルさんに弱いんですよ・・・まあ、一部を除いて、ですが。ああでも、もう向こうに情報は渡してしまいましたよ」

「ま、何とかなるでしょ」


スイレンは少しだけ笑うと振り返って見守っていたヤマトらを呼んだ。


「もういいよ」

「・・・で、結局どうなった?」

「協力してくれるらしい」

「はあ!?・・・無茶苦茶じゃないか・・・?」

「無茶苦茶でもとりあえず収まったんだからいいよね。ほら、外してやったよ」

「ありがとうございます」


スイレンが鬼鮫の拘束を解くと、彼が立ち上がる。

ヤマトが疲れたような表情でその様子を見ていたが、ナルトを含め他の人間は緊張感のある表情で鬼鮫を見ていた。

ただ一人、ビーを除いては。


「ウィー!よろしくゥ!」

「あなたには警戒心というものが欠けているんじゃないですか」

「鬼鮫・・・お前どうしたらこんなに警戒されるの?」

「まあいろいろです。ハルさんに言えないことですかね」

「・・・ふーん」


結局スイレンが監視するということで、全員に警戒されつつも鬼鮫は島亀にいることとなった。


その後鬼鮫には服が与えられ、一段落したところで彼の方からスイレンに声を掛けた。


「あの、ちょっといいですか」

「・・・なに?」

「ずっと聞きたかったんです。・・・あなた、何者ですか?」

「どういう意味、それ」

「イタチさんに聞きましたけど、あなたが現れたのはハルさんが狙われたあの事件以来らしいじゃないですか。・・・どうしてハルさんは、素性のわからないあなたを傍に置くことを許したんでしょうか」

「“ハルにとって”僕は唯一だからだよ。反対もまた然り。簡単な話だ」

「・・・あなたがハルさんにそこまでする理由はなんですか?」

「ハルのことが大好きだから。大切だから。・・・これだけで十分だよ。それに、その理由がハルと僕を繋ぐものになるでしょ?そういうものあればあるほど、僕はハルに近づける気がして嬉しい」


スイレンは鬼鮫の目を真っ直ぐ見ていた。


「僕はハルがいないなら、生きていけないから」


そう言ったスイレンは、少し笑っていた。






『スイレンの覚悟』

“キミのためなら、死んでもいいよ”
/ 755ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp