第39章 あなたのこと
―――目を覚ますと、少し体が楽になっていた。
起き上がり、のびをするとどこかの骨がポキ、と鳴った。
「・・・ん・・・」
『ハル!!・・・良かった・・・!』
「スイレン・・・心配かけてごめんね、大丈夫だから。クロの変化はアンタがしてくれたんでしょ?・・・ありがとう」
そう言うと、スイレンは私を少し強めに抱きしめた。
「・・・苦しい」
『ごめん!・・・安心しちゃって』
「そっか」
すると、襖が開かれる音がして顔を上げると、そこにはナルトの姿があった。
「クロ!起きたのか!・・・もう起き上がって大丈夫なのか?」
「うん。・・・心配してくれてありがとう」
そう言うとナルトは布団の横に腰を下ろし、ひとしきり「良かった」と言った後、真面目な面持ちになって話を切り出した。
「・・・あのさ、クロ。サスケが・・・暁に入ったらしいんだ。そのことで昨日、雷影がサスケを殺そうってんで、お願いしに行ったんだけど・・・ダメだったってばよ」
「・・・雷影?」
「ああ。でもオレは諦めねえ。サスケを殺させたりなんかしねーよ。・・・お前もそうだよな、クロ」
(・・・雪、宿、雷影・・・?)
鈍った思考を巡らせ、あることに気が付く。
(まさか・・・ここ、オビトがくるんじゃ・・・)
ハッとし、顔を上げた瞬間。
「―――話でもどうだ?・・・うずまきナルト」
絶望の声が聞こえた。
ナルトが瞬時に反応し螺旋丸を彼に打ち込むが、彼をすり抜け壁にあたり、部屋が半壊の状態になった。
私はいつの間にかスイレンに抱きかかえられていて、被害は回避していた。
屋根に上がった彼に木が巻きつき、直後、部屋囲うように木の檻のようなものができた。
ヤマトとカカシが姿を現し、カカシが彼の後ろに回り込んだ。
「ナルトはじっとしてなね」
「フッ・・・さすがは写輪眼のカカシだ。・・・速い。だが、今日は話がしたい」
「話、だと・・・?」
「そんなのはどうだっていい!テメェはサスケをどうするつもりだ!?サスケのことを教えろ!」
「いいだろう、話してやる・・・忍世界の憎しみ、恨みに骨の髄まで侵された男・・・うちはサスケの話を!」