第35章 誘い
木ノ葉が不死身コンビと戦ってから、しばらく経ち―――。
サスケは大蛇丸を倒し水月を一人目の仲間として、香燐と重吾を仲間にするべく、北アジトと南アジトへ向かっていた。
「・・・まずは香燐のいる南アジトへ行く」
「ねえ・・・遠くない?いや、首切り包丁を手に入れられたのはいいんだけどさ、こうも遠いと・・・先が思いやられるよ」
「黙って歩け」
「はいはい・・・んで、ホントにあの二人でいいの?ボクは苦手なんだけど」
「ああ。本当はもう一人候補がいるんだが・・・ソイツとのコンタクトは一方通行で、こちらからは難しいだろうな。向こうがオレに会いに来るときまで待つしかない」
「へえ・・・それ誰?ボクも知ってる人?」
「大蛇丸の下にはいなかった・・・アイツは大蛇丸からの勧誘を断ったからな。だが、個人的には昔からの付き合いがあるヤツだ。お前もいずれ顔を合わすことになるだろう」
「キミと?なかなか面白そうだね、ソイツ。興味あるかも」
「・・・慣れ合うのは簡単だろうが、かなり扱いにくい」
サスケはそう言って、遠くを見た。
香燐のいる南アジトはもう見えている。
サスケは無表情のまま、足を進めた。
「―――ちょ・・・っとォ・・・何もいきなり殴ることはないじゃないですかァ・・・」
「ただのゲンコツだ。お前は親に殴られたこともないのか」
「ないですよ・・・アスマさんはひどい男ですねえ」
「余計なお世話だ」
ある日の昼下がり、私はアスマに会いに木ノ葉を訪れていた。
アスマに会う前にサクラに会い、先程別れてきたところだ。
その後の調子を見るのと、まずはアスマに謝りに行こうと思っていたのだが、まさか顔を合わせた瞬間、ゲンコツを喰らうとは思ってもみなかった。
「オレを監禁していた罰だ・・・これで済むだけありがたいと思え」
「それもそうか。・・・そういえばアスマさん、お身体の方はもう大丈夫なんですか?」
「ああ。お前が治してくれた胸の傷以外はここの医者に診てもらった。みんな不思議がってるよ・・・なんでオレが生きてるのかってな」
「良かったですね、また里に戻ってこれて」
「ああ・・・お前のおかげだ」
「・・・言っておきますけど、私は三代目様の恩をあなたに返しただけです。これは忘れないでくださいね」
「わかってるよ」