第32章 二年
サスケが里を抜けてから約二年の月日が経った。
私はやっと十二歳になり、木ノ葉にも時折足を運んでいる。
カカシとの任務のことは、綱手からは特に何も言われなかったため、気にしないことにした。
今日は木ノ葉に来ており、今はサクラと話しているところだ。
「そうなの、この前カカシ先生と戦ってねー・・・あ、そうだ!ねえクロ、もうナルトに会った?」
「え?ナルトくん帰って来てるの?」
「うん!この前帰って来たみたいでね。まだ会ってないなら、今から行こうよ!」
急に走り出すサクラに手を引かれ、強制的に走ることになる私。
「スイレン!置いて行くよ!」
『あ、待ってよー!』
ポカンとしているスイレンを呼ぶと、ハッとしたように走って隣に並び、結局そのまま三人でナルトの家まで向かったのだった。
「ハア、ハア・・・急に走らないでよ、サクラちゃん!こけるかと思ったじゃん」
「まあまあ。んー・・・あれ、おかしいな。ナルト、どこか出かけてるのかな」
ナルトの家の場所は昔と変わっておらず、サクラがドアノブをガチャガチャとならす。
「壊れるよ?」と言えば、「そんなわけないじゃない」と不機嫌に返された。
すると少し離れたところから声がした。
「サクラちゃん?何やってるんだってばよ?」
「あ、ナルト!」
「あー!クロ!?クロなのか!?」
買い物に出かけていたのか、ビニール袋を提げている。
中にはカップラーメンが入っている。
(あいかわらず乱れた食生活だな・・・いや、作ってもらっている私が言えることじゃないけど)
「久しぶり、ナルトくん。元気にしてた?ていうか、背伸びたねー」
「おう!クロはちょっと・・・なんか雰囲気変わったか?」
「そう?褒められてるのかな」
「褒めてるってばよ」
久しぶりに見るナルトは、背がとても高くなっていた。
「ナルトくん、頑張ってね!」
「は?何が?」
「いろいろ!それじゃあ、私、そろそろ行くね。バイバイ、ナルトくん、サクラちゃん!」
笑顔で手を振り、別れる。
今日は「早く帰ってこい」とイタチに言われたので、まだ昼過ぎだが、帰ることにした。