第2章 子供時代と一つの事件。
そのあと、ハルと久しぶりに色んな話をしていたが女の人が来て、母はどこかへ行ってしまった。
女の人は、ハルの主治医らしい。
「・・・ハル」
「・・・なあに?」
少し、眠たいのか瞼が下に落ちかけている。
話し方も若干、舌足らずだ。
「家に帰ったら、一緒に団子食べに行こう」
「・・・フフッ、うん、その時はハルも自分で歩くからね?」
「・・・いや、俺がおんぶする」
「もう、シスコンかっての。」
少し、ハルの言葉が気になったが、まあそこは触れないでいた。
(・・・もう、二度とこんなことは起こさせない)
俺が、守らなくちゃいけない。
ふと窓を見ると、空はすがすがしいほどに青く、澄み切っていた。
『子供時代と1つの事件』
“白は赤に侵食されていく“