第26章 つじつま合わせ
結局、不死身コンビも出ていき、アジトにいるのは私と芸術コンビのみだった。
「ねえ、小南ちゃんは?」
「さあな。どっか行ったんじゃねーか」
「イタチ兄さんは?」
「アイツらなら、今日お前が出かけたあと任務で出た。数日は戻らないらしい」
「・・・そんなの聞いてない」
「そりゃお前が、寝ぼけてたんだろうが。朝飯ん時もうとうとしてっから、イタチにおぶられて部屋に逆戻りするんだろ」
・・・言い返す言葉もない。
確かに、私の寝起きが悪いのはいつものことだが、イタチの話も耳に入っていなかったとは。
居間のソファで寝転んでいるサソリを見て、思わず自分に対してのため息をつく。
「・・・いつ帰ってくるの?」
「さあな。こればっかりはアイツらの予定しだいじゃね?」
(ナルト捕獲に失敗したから・・・どうするんだろう?まさか、また木ノ葉に向かうとは考えにくいだろうし)
私が一人で悶々と考えていると、デイダラの大きな声が居間に響いた。
「ああーー!!」
「おい、うるせえぞデイダラ!」
「どうしたの?」
「晩飯・・・」
「え?」
「晩飯、どーすんだ!?うん!?」
つまり、
鬼鮫がいないから、ご飯を作る人がいない。オイラは作れない。旦那も作れない。じゃあどうしよう!?
ということらしい。
「オレはいらねーし、勝手にしろ」
「言うと思ったぜ・・・うん」
「期待はしてなかったけどな・・・うん」と切なげに言うデイダラの肩をポンポンと叩く。
「あ・・・?」
「私が作ろうか?」
私がそう言うと、デイダラは意外そうな目で「作れんのか?」と聞いた。
「私、少しの間だけど一人暮らしみたいなことしてた時期があって。味に文句言わないなら作るよ?」
「ありがてえな、うん・・・!頼むぜ!」
デイダラの嬉しそうな表情に思わず笑みをこぼすと、私は冷蔵庫へと足を向けた。
他人の家の冷蔵庫を開ける時のような、変な罪悪感を抱きながらも冷蔵庫を覗く。
「よっ・・・と」
背が小さいからか背伸びにも限界があって、一番上までは見えない。
すると、ふいに体が持ち上がった。
「え?」
「ほら、チビ。さっさとしろ」
ふり返れば、サソリが私の両脇に手を入れて体を持ち上げてくれていた。