第25章 敵として
追悼式の二日後。
伝説の三忍の一人・自来也とうずまきナルトは五代目火影候補・綱手の捜索に向かうため、木ノ葉の里を発った。
そして、木ノ葉の里ではサスケとカカシがとある店の前で待ち合わせをしていた。
「サスケ、おはよう!」
「クロ!?・・・お前、何が『おはよう』だ!」
サスケが家から出ようとすると、家の前にはクロがいた。
噂の人物が目の前に現れたのもあるが、サスケは第二の中忍試験のときからクロと会っていなかった。
それも含め、サスケは安堵すると同時に、どうしようもない怒りが沸き上がっていた。
「心配かけさせやがって・・・!あの時のオレがどんな気持ちだったか―――」
「・・・ごめん、ね?」
「謝ってんじゃねーよ・・・」
私には、正直、サスケがなぜ怒っているのか分からなかった。
結局、サスケにその事を聞いても「自分で考えろ」と言われるだけで分からずじまいだったが、その代わり私にあることを教えてくれた。
「ええ!?私って、そんなに噂になってるの!?」
「ああ。つーかお前、来てたなら顔くらい見せろよ!」
「ごめんごめん、次からちゃんと一番に、サスケくんに会いに行くよ」
「くん付けすんな、気持ち悪ィ。あ、そうだ。お前、今日はアイツいねーんだな」
「ヒド・・・アイツって、スイレンのこと?」
私がそう聞くと、サスケは頷いた。
話しながら歩いていると、カカシが見えてきた。
「あ、カカシさん」
「ん・・・あれ、クロ?お前、今日は来てたの?」
「はい。サスケとデートです」
「アホか。違う、コイツがオレの家の前に―――」
そうしていると、カカシが一緒にいた紅とアスマに目配せをした。
それだけで二人は頷き、その場から消えた。
カカシは一瞬厳しい顔をしたが、すぐに向き直って斜め上を見上げた。
「いやー・・・」
「じゃあ私、これで失礼しますね」
「えっ?」
サスケとカカシに手を振ってその場を去る。
二人とも驚いたような顔をしていたが、それも気にせず屋根に上がる。
走って、ナルトたちのいる旅館へと向かう。
「スイレンいないから自分で走るの面倒だな・・・」
今日はスイレンはいない。
ネネたちのところに行くらしい。