第2章 子供時代と一つの事件。
「・・・何してるの・・?」
「何ってそりゃあ、ハルのお見舞いかな」
(なんだそれ。今は夜なのに)
「・・・サスケ兄さんは」
「・・・君のお兄さんは、もう退院して、家にいるけど」
「・・・もう・・・?」
ふと、カカシの言葉に違和感を覚える。
「それより、自分のこと心配しないと。お前、ここ何日かずっと起きなかったんだぞ?」
(・・・マジか)
予想外の言葉を聞かされ、少しの間黙り込んだ。
「・・・それより、痛くない?」
「・・・少し、痛いかも」
「いやいや・・・少しじゃないと思うけど・・・」
さっきよりは痛くない。
何だか、少し痛みが治まってきた気がする。
自分の手を見る。
この手のように小さくて、無力な自分。
それでも。
(・・・サスケを守れたんだ)
誰かを守れるということは、嬉しかった。