第23章 休息と隠し事
木ノ葉の里から、暁のアジトに戻ったのは、その日の夕方のことだった。
クロの姿の変化を解き、元の姿に戻る。
「た、ただいま、戻りました」
そう言えば、ちょうど居間で何かを話し込んでいた鬼鮫とイタチがバッと勢いよくこちらを向いた。
イタチはそのままズンズンと歩き出すと、私の目の前まで来て、
「お前・・・今までどこに行ってたんだ・・・!」
「ただいま、イタチ兄さん。ごめん、ちょっと長くなっちゃって」
私を、きつく抱きしめた。
苦しいほどだったけど、嬉しくて私もイタチの背中に手を回す。
懐かしい兄の匂いがした。
「ったく・・・いくらなんでも遅すぎだ。今度はもう少し早く帰ってこい。心配するだろう」
「遅すぎって・・・前に言ったじゃん。でも・・・ごめん。会いたかったよ」
「ああ。オレもだ」
イタチは私の頭を撫でて、ホッとしたように笑った。
すると、その後ろから鬼鮫の声がした。
「おかえりなさい、ハルさん。言いたいことはいろいろあるのですが、とりあえず、そこの子もつれてお風呂に入ったらどうです?」
「そこの子って・・・スイレンのことですか?」
「ええ。というか、あなたたち・・・どうしてそんなにボロボロなんですか?」
ふと、自分の姿を確認してみる。
「あー・・・」
第二の試験で四日間も死の森にいたせいか、服はボロボロ、スイレンの本来なら白いはずの毛も、薄汚れていた。
「ホントだ・・・じゃあ、そうします。スイレン、行こうか」
『はーい』
「そうだな。着替えはあとでオレが置いておこう」
イタチの言葉に甘えることにし、私は風呂場までゆっくりと歩いて行った。