第22章 中忍試験 2
外に出てボーッとしていると、イビキが出てきた。
「火影様が呼んでいる」
「・・・え」
イビキはニッと笑うと、ポカンとしている私の肩を叩き、私についてくるように促した。
私は、頷いてイビキのあとをついていく。
(・・・ちょうどいいかも。三代目にお礼言わなきゃって思ってたし)
階段を登り、ドアが開けられると、そこには三代目の他に数々の上忍がいた。
それを通り過ぎて、三代目の近くに行く。
「火影様。連れてきました」
「おお、すまんな」
そんなやり取りをして、イビキはどこかへ行ってしまった。
下では、サスケとヨロイの闘いが始まっている。
チラリと見て、心の中で健闘を祈った。
すると、三代目はそんな私を見て言った。
「気になるか?サスケの試合が」
「え・・・ああ、まあ」
「お前もせっかくここまで残ったのに・・・参加すればよかったじゃろう」
「・・・すみません、三代目様。せっかく、この中忍試験に参加させてもらったのに」
「いや、そのことについてはおぬしが決めたことじゃ。ワシは何も言わん」
「・・・ありがとうございます」
小さく頭を下げると、三代目は「礼には及ばん」と言った。
「―――・・・これから、どうするつもりじゃ?」
「・・・これから・・・少し、帰ろうと思います。また本選のときに来ようと思って」
「・・・そうか」
そう言ったきり、三代目は黙った。
最後に深く頭を下げて、私はその場を去った。
『中忍試験 2』
“つけられた鎖”