第21章 中忍試験
―――翌日。
中忍試験が開催される試験会場に、ナルト、サスケ、そしてサクラがいた。
サクラは心なしか元気がない。
集合場所の301号室に向かうため階段を上がる。
すると、女の子の短い悲鳴が聞こえた。
「きゃっ」
見れば、女の子は突き飛ばされたようで尻餅をついている。
突き飛ばした張本人は、三人と同い年くらいの男の子二人組だった。
ニヤニヤとしながら言う二人組に、サスケがいつもの態度で言う。
「悪いが俺たちは通してもらう!さっさとこの幻術を解いてもらおう―――・・・サクラ!どうだ?」
「えっ?」
「お前なら一番に気づいているはずだ。お前の分析力と幻術のノウハウは、オレたちの班の中で一番伸びているからな」
その言葉にサクラは驚いたようにサスケを見た。
そして「ありがとう」と小さな声で言うと、いつもの元気が戻ったように言った。
「とっくに気付いてるわよ。だってここは二階じゃない!」
サクラがそう言い切った瞬間、“301”という数字が“201”に変わる。
「ふーん?なかなかやるね?でも、見破っただけじゃね!」
そこから戦闘が始まる。
サスケと男の子が戦い始めたその時、そこにおかっぱのお琴の子が割って入ってきた。
ロック・リーだ。
すると、そこに先程尻餅をついていた少女―――テンテンと日向ネジが近付いて来る。
二人はリーに向かって「約束が違う」などと言っている。
そんな二人にリーは「だって・・・」と口ごもるとサクラをチラリと見た。
「えっ」
目が合ったサクラの表情は困惑の色が浮かんで見える。
「僕の名前は、ロック・リー!サクラさんというんですね。 僕とお付き合いしましょう!」
そんないきなりの告白に付け加え「死ぬまで貴方を守りますから!」と言ってサクラにキラキラとした目を向ける。
「・・・絶対イヤ!」
ワンテンポ遅れてサクラが返す。
ガーンとショックを受けたような顔をしているリーにイヤイヤと首を横に振るサクラ。